特集 心エコー計測/抽出のコツ,身につけたい考え方/進め方
Ⅱ 身につけたい考え方/進め方
3 病気を識る,病気を診る l. 感染性心内膜炎
芦原 京美
1
1東京女子医科大学循環器内科
キーワード:
感染性心内膜炎
,
疣腫(vegetation)
Keyword:
感染性心内膜炎
,
疣腫(vegetation)
pp.192-202
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000748
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感染性心内膜炎(IE)は,心臓内の異常血流によって障害された心内膜に非細菌性血栓性心内膜炎(non-bacterial thrombotic endocarditis:NBTE)が生じ,そこに菌が付着し,増殖して疣腫(vegetation)を形成する全身性敗血症性疾患である。IEは感染症状だけでなく,心臓の構造破壊による血行動態の変化と破綻からくる心臓症状,疣腫によって引き起こされる塞栓症状の3つの側面を有することが特徴である。一度罹患すると,院内死亡率は15〜20%,1年死亡率は30〜40%と高く診断の遅れが致命的となるため,早期に疑い外科的手術を含んだ治療方針を決定することが重要である。コントロールできない(できそうにない)感染,心不全,塞栓のリスクが早期手術考慮のカギである。本稿では,さまざまなIE症例を取り上げ解説する。
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