末梢動脈疾患患者における緩和ケア

末梢動脈疾患（peripheral arterial disease：PAD）は障害血管の部位に応じて，間欠性跛行，皮膚潰瘍・壊死，盗血症状など多彩な症状を示し，患者のQOLや予後を悪化させる。薬物療法や血行再建など適切な治療を行うとともに，全人的な苦痛緩和を行うことが重要であり，身体的・精神心理的・社会的苦痛の緩和を目的としたケアを実施すべきである。また，高率に脳心血管イベントを合併し，生命予後が不良であり，全身の動脈硬化性疾患として包括的なアプローチが必要である。