連載 責任冠動脈を追え!PCIエキスパートになるための25カ条
第25条
術前後の抗血栓療法エッセンス:これで君もエキスパートだ!
近藤 誠太
1
,
新家 俊郎
1
1昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
pp.176-181
発行日 2020年2月9日
Published Date 2020/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000143
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循環器領域で急性冠症候群(acute coronarysyndrome:ACS)や狭窄病変を有する安定冠動脈疾患(stable coronary artery disease:stable CAD)に経皮的冠動脈インターベンション(percutaneouscoronary intervention:PCI)治療が行われるなかで,抗血小板薬を使用し抗血栓療法を行う目的は何か? 1つは動脈硬化を基盤とするアテローム血栓症の予防,もう1つの目的は冠動脈ステント留置後の血栓症を予防するためである。PCI術後は特に抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelettherapy:DAPT)が標準療法として行われる。2004年に登場した第一世代の薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent:DES)では,血管内皮細胞の再生遅延による遅発性血栓症が大きな問題となり長期のDAPTを必要としていたが,デバイスの進化により第二世代以降のDESでは血栓症に関する懸念は払拭されつつある。それとともに抗血栓療法に関するエビデンスの構築も進み,2019年3月には日本循環器学会の「安定冠動脈疾患の血行再建ガイドライン(2018年改訂版)」,「急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)」も改訂され,DAPTの継続期間も短縮しつつある。
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