特集 「どっちなんだ?!」をはずさないための画像診断の急所
序説−「どっちなんだ?!」をはずさないために
黒川 遼
1
1東京大学医学部 放射線医学講座
pp.665-665
発行日 2024年6月26日
Published Date 2024/6/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001720
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画像診断ではしばしば「どっちなんだ?!」に遭遇する。良性なのか悪性なのか,腫瘍なのか炎症なのか,感染なのか非感染なのか,そもそも正常の範囲内なのか異常なのか,……などなど。こうした二択(あるいは三択以上)はいつも画像診断医を悩ませているが,依頼科には画像所見で白黒つけてほしいと期待されやすい部分でもある。例えば,脳MRIでは脱髄と腫瘍が類似することがある。しかし,MRIで脱髄と腫瘍が類似しうるからといって,毎回のように脱髄と腫瘍を必ずレポートに併記していたら,臨床側からの期待には応えられないだろう。もちろん,生半可な知識に基づいて,あるいは知識・経験の裏打ちもなく,ただ直感のみに頼って二択のどちらかに決めつけるようなレポートでは,大誤診につながりうる。
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