特集 臨床MRIを基礎から知る−さまざまな角度からMRIの魅力に迫る−
[頭部領域]
中毒性疾患(薬剤性脳症を含む)
鹿戸 将史
1
1山形大学医学部 放射線医学講座 放射線診断学分野
キーワード:
中毒(intoxication)
,
薬物性脳症(drug induced encephalopathy)
Keyword:
中毒(intoxication)
,
薬物性脳症(drug induced encephalopathy)
pp.57-62
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001257
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▶ 中毒性疾患は,自殺目的の服薬(薬物,農薬,そのほかの化学物質),事故,薬物乱用などが主な原因であり,正確な状況が把握できれば診断は比較的容易である。しかし,意識障害を起こしているために的確な問診ができないことが多い。
▶ 発見時の状況から事故や自殺が推定される場合はもとより,健康な人の急な意識障害の場合には中毒性疾患の可能性を念頭におく必要がある。意識障害が回復せず,明らかな脳血管障害が否定されれば,中毒の可能性が高くなる。中毒が疑われる場合には直ちに血中濃度を測定して,確定診断する。
▶ 画像診断,特に脳MRIは重要である。原因物質により障害される部位に特徴がみられるものがある。中毒性疾患の診断では,通常のT1強調像,T2強調像,FLAIR像に加えて拡散強調像を撮像することが重要である。
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