Japanese
English
経験と考察
除圧術後に発生した腰椎椎間関節嚢腫に対する経皮的嚢腫破砕術の臨床成績と問題点の検討
Usefulness of percutaneous rupture for lumbar facet cysts after decompression surgery
石原 陽平
1
,
森下 益多朗
1
,
神﨑 浩二
2
Y. Ishihara
1
,
M. Morishita
1
,
K. Kanzaki
2
1麻生総合病院脊椎脊髄病センター
2昭和大学藤が丘病院整形外科
1Asao General Hospital Spine Center, Kawasaki
キーワード:
lumbar facet cyst
,
lumbar decompression surgery
,
percutaneous rupture
,
postoperative complication
Keyword:
lumbar facet cyst
,
lumbar decompression surgery
,
percutaneous rupture
,
postoperative complication
pp.407-414
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_407
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は じ め に
腰椎疾患に対する手術療法の中でも除圧術はもっとも一般的に施行されている術式であり,安定した術後成績が得られている一方,術後に発生する腰椎椎間関節嚢腫(LFC)は腰痛・下肢痛を新たに引き起こし,手術成績を低下させる重大な要因となることがある1~3).保存療法が無効な症例に対しては手術療法が選択されることが多いが,入院や全身麻酔が必須であることに加え,術後癒着に伴う硬膜損傷などの合併症に細心の注意が必要となる.
一方,経皮的嚢腫破砕術は手術にかわる低侵襲治療として,その有用性についての報告は散見されているが4,5),本邦ではまだ一般的ではなく,特に術後発生LFC例に対する治療報告はわれわれの渉猟した範囲では認めていない.
本稿では,当院で施行した腰椎除圧術後に発生し,保存療法が無効であったLFC例に対し施行した経皮的破砕術の臨床成績について報告する.
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