人工膝単顆置換術後大腿骨インプラント周囲骨折に対して顆部スクリュー併用逆行性髄内釘固定を行った1例

Medial femoral condyle fracture after unicompartmental knee arthroplasty with retrograde intramedullary nailing with condylar screws：report of a case

　人工膝単顆置換術（UKA）は現在，内側型変形性膝関節症（膝OA）のもっとも一般的な手術法の一つであり，人工膝関節全置換術（TKA）と比較して皮切や出血量，骨切除量が少なく低侵襲であり，術後の機能回復が早いといった利点がある^1,2）．その合併症としてポリエチレンの摩耗，弛み，ベアリング脱転，対側区画の変性進行のほか，インプラント周囲骨折などが報告されている^3,4）．インプラント周囲骨折はほとんどが脛骨側に生じ，その原因として設置位置不良，深い縦切りなどの術者側の要因や，セメントレスインプラントの使用，脛骨骨形態などの非術者側の要因があげられているが^2），一方で大腿骨側の骨折の報告は少ない．われわれはUKA後の大腿骨インプラント周囲骨折の1例を経験したので報告する．