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連載 最新原著レビュー
指尖部切断再接着術後の末節骨偽関節にかかわる危険因子
Identifying predictors of radiographic distal phalangeal nonunion after fingertip replantation
宇佐美 聡
1
,
河原 三四郎
1
,
稲見 浩平
1
,
平瀬 雄一
2
,
森 弘樹
3
S. Usami
1
,
S. Kawahara
1
,
K. Inami
1
,
Y. Hirase
2
,
H. Mori
3
1高月整形外科病院手外科
2四谷メディカルキューブ手の外科
3東京医科歯科大学形成・再建外科
1Dept. of Hand Surg., Takatsuki Orthopaedic Hospital, Hachioji
キーワード:
replantation
,
nonunion
,
distal phalanx
,
risk factor
Keyword:
replantation
,
nonunion
,
distal phalanx
,
risk factor
pp.923-927
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_923
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【要 旨】
目 的:指尖部再接着後の末節骨は固定方法の問題があり,遷延治癒や偽関節になりやすい.本稿では,指尖部再接着後の末節骨偽関節に影響する危険因子について後方視的に検討を行った.
対象および方法:末節部より遠位で再接着術を施行した111例116指が対象である.年齢,性別,糖尿病の既往,喫煙歴,受傷手,受傷指,受傷機転,切断状態,遠位末節骨片の長さ,骨折形態,骨欠損の有無,骨固定後の接合部gap,Kirschner鋼線(K-wire)の本数,静脈修復の有無,術後感染の有無の15因子について影響を調査した.
結 果:術後12ヵ月の時点で16指(13.8%)が偽関節(症状のない9指)もしくは準じた状態(再手術後5指,骨吸収2指)であった.単変量解析では偽関節の危険因子として,骨折形態(粉砕骨折),骨欠損あり,骨固定後の接合部gapが大きい,術後pin感染ありがあげられた.
結 論:偽関節を予防するには初回固定時の骨接合部gapを減らすことが重要であった.再手術は全例術後6ヵ月以内に行っており,その後の経過でX線像上偽関節であっても臨床上は症状がなく許容できた.
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