Japanese
English
特集 整形外科画像診断・評価の進歩
Ⅲ.MRI
2.膝MRI-3D軟骨モデルの臨床応用
Clinical application of the knee magnetic resonance imaging-three dimensional cartilage model
渡邉 聡
1
,
林 豊彦
2
,
小林 公一
3
S. Watanabe
1
,
T. Hayashi
2
,
K. Kobayashi
3
1新潟医療センター整形外科
2新潟大学教育研究院自然科学系
3新潟大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
1Dept. of Orthop. Surg., Niigata Medical Center, Niigata
キーワード:
MRI
,
3D cartilage model
,
knee
Keyword:
MRI
,
3D cartilage model
,
knee
pp.580-584
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_580
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は じ め に
診断や術前計画において医療画像は必須のものであるが,なかでもX線被曝を伴わないMRIの利用頻度は増している1).膝関節においては,骨のみでなく軟骨や半月板,靱帯などの軟部組織も評価でき情報量が多いため必須の検査となりつつある.近年では3テスラなど高磁場MRIが普及しつつあるが,通常の1~1.5テスラの場合,thin sliceでの撮像が困難であること,また評価したい組織や病態の描出に応じて優れた撮像条件を選ぶ必要があることから,CTとは異なり市販の画像解析ソフトによる再構築画像や3Dモデル化などのレンダリング作業は困難である.そのため,軟骨や半月板などの軟部組織を画像から抽出してモデル化するにはマニュアル作業に頼らざるをえず,精度や再現性の担保が問題となる.そこでわれわれはMRIから膝関節軟骨の3Dモデルを作成するため,関節軟骨境界を半自動抽出する方法を開発し,さまざまな臨床研究に応用してきた.MRIの軟骨強調シークエンスを用いると骨軟骨境界は比較的鮮明であるため自動抽出可能である.しかし関節面軟骨境界は滑膜など周囲軟部組織との境界を判別しがたい部位が存在し,画像情報のみでは自動判別できない.そのため軟骨厚情報や形状特性などの情報を付与することで関心領域を細分化し対応するなどの工夫が必要であるが,現状では最低限のマニュアル補整は必要である.
本稿では,MR画像から軟骨形状を抽出する方法を紹介し,われわれが行ってきた臨床応用について紹介する.
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