Japanese
English
臨床経験
膝関節部に発生したグロームス腫瘍の1例
A Case of Glomus Tumor Arising from the Knee
土田 敏典
1
,
赤丸 智之
1
,
津山 健
1
,
北野 喜行
2
Toshinori Tsuchida
1
1国立山中病院整形外科
2市立砺波総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yamanaka National Hospital
キーワード:
glomus tumor
,
グロームス腫瘍
,
knee
,
膝
,
MRI
,
核磁気共鳴撮像法
Keyword:
glomus tumor
,
グロームス腫瘍
,
knee
,
膝
,
MRI
,
核磁気共鳴撮像法
pp.79-81
発行日 1998年1月25日
Published Date 1998/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902353
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:膝前面に発生したグロームス腫瘍の1例を経験し,MRIの術前診断としての有用性について考察した.症例は64歳男性で,3年前から誘因なく右膝前面の疼痛が出現し,同部に直径約10mmの腫瘤を自覚していた.CTでは膝蓋骨前面に境界明瞭な腫瘤を認めた.MRIでは,T1強調像で低信号,T2強調像で中等度から高信号に描出され,内部に線状の無信号域を有し,Gd造影像では全体に淡く造影された.局所麻酔下に腫瘍を一塊として摘出した.術後疼痛は消失し,2年を経過した現在,再発を認めていない.病理組織学的には,拡張した血管の増殖と,それを取り巻く小型類円形細胞の腫瘍性増殖を認め,グロームス腫瘍と診断した.MRI像においてグロームス腫瘍ではT2強調像で高信号を示し,内部に点状・線状の無信号領域をもち,これをsalt-and-pepper patternと呼ばれており,今後もMRIを術前診断として試みる価値があると思われた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.