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連載 卒後研修講座
脛骨プラトー骨折に対する治療戦略
-――アプローチとインプラントの選択
Surgical strategies for tibia plateau fractures
前原 孝
1
T. Maehara
1
1香川労災病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kagawa Rosai Hospital, Marugame
キーワード:
tibial plateau fracture
,
osteosynthesis
,
surgical exposure
Keyword:
tibial plateau fracture
,
osteosynthesis
,
surgical exposure
pp.161-172
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_161
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[1]術 前 評 価
1.骨折型分類
骨折に対する治療を計画する際にはさまざまな骨折型分類が用いられる.脛骨プラトー骨折の治療においてはAO分類1)とSchatzker分類2)が代表的な分類法であり,この二つは理解しておく必要がある.脛骨プラトー骨折はAO分類で脛骨近位部をあらわす41に分類され,関節外骨折が41-A,部分関節内骨折が41-B,完全関節内骨折が41-Cと表記される(図1).41-Bの「部分関節内」と41-Cの「完全関節内」の境界が理解しにくいという意見を聞くことがあるが,BとCの決定的な違いは「骨折する前の関節面の位置が正確にわかる部分が残っているかどうか」ということにつきる.すなわち「完全関節内骨折」は関節面を含む骨片がすべて骨幹部との連続性を失った状況となり,関節面の高さや傾きを術者が決める必要がある.一方「部分関節内」では骨幹部との連続性のある関節面の一部が残っている状態ということになる.手術の計画,準備に大きくかかわるので正確に分類する必要がある.
Schatzker分類もこの部位の治療には有用な分類として頻用されてきた.内側の損傷をtype Ⅳと分類し,内外側両顆の損傷をtype Ⅴ,骨幹端部におよぶ粉砕を伴ったものをtype Ⅵと分類している(図2).Type Ⅳ以上に分類される症例は高エネルギーによる損傷である場合が多いことが指摘されており,治療方針を検討する際に参考になる.
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