Japanese
English
臨床室
Zone 5における伸筋腱損傷術後の後療法に対してyoke装具を用いた2例
Zone 5 extensor tendon repair rehabilitation with yoke orthosis:report of two cases
中村 優子
1
,
浜田 佳孝
2
,
大平 健二
1
,
中筋 一光
1
,
外山 雄康
3
,
南川 義隆
1
Y. Nakamura
1
,
Y. Hamada
2
,
K. Ohira
1
,
K. Nakasuji
1
,
T. Toyama
3
,
Y. Minakawa
1
1南川整形外科
2関西医科大学総合医療センター整形外科
3関西大学総合医療センター整形外科
1Minamikawa Orthopedics Hospital, Osaka
キーワード:
zone 5 extensor tendon repair
,
controlled active motion
,
yoke splint
Keyword:
zone 5 extensor tendon repair
,
controlled active motion
,
yoke splint
pp.966-968
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_966
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Zone 5における指伸筋腱損傷に対する縫合術後の後療法は,一般的には良肢位に近い,中手指節間(MP)関節軽度屈曲位,かつ指節(IP)関節伸展位での3~4週間の外固定と,術後5~6週からの他動屈曲開始が行われてきた.しかし,MP関節の屈曲制限や自動伸展不足を残すことも少なくない.この問題に対して,屈筋腱の術後早期運動療法と同様に伸筋腱の術後早期運動療法も近年取り入れられることが増えている.『日本ハンドセラピィ学会誌』では,yoke装具を用いた早期運動療法(immediate controlled active motion:ICAM法)がしばしば利用され,話題となっている1,2).Yoke装具とは,縫合術後の罹患指のMP関節を健常指と比べて15°~20°過伸展させ4指を連結した装具であり,損傷指を減張位におき,健常指と連動させることにより,健常指の伸展力を利用し,伸筋腱修復部の負担を減少するものである.当院は入院施設がなく,患者は原職復帰しながらの外来通院で,術者も週1度のチェックとなる制約をもつ.簡便でより安全に比較的早期にリハビリテーションを行うために,抜糸までは減張位で固定し,その後にyoke装具を用いて原職復帰している.本稿ではzone 5における中指伸筋腱皮下断裂ならびに伸筋腱尺側脱臼に対して,yoke法を応用して非常に良好な成績が得られたため報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021