Vocabulary
HYBID(KIAA1199/CEMIP)
塩澤 淳
1
,
岡田 保典
2
1順天堂大学大学院整形外科
2順天堂大学大学院整形外科学寄附講座運動器・腫瘍性疾患病態学
pp.354-354
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_354
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ヒアルロン酸は全身臓器に分布する主要細胞外マトリックスであり,組織内では1,000kDa以上の高分子体として存在する.関節軟骨では,ヒアルロン酸―アグリカンネットワーク構造を形成し,関節軟骨粘弾性維持と力学的ストレスに対するショックアブソーバー作用を営んでいる.また,関節液中の高分子ヒアルロン酸は,関節運動の潤滑,関節軟骨への力学的ストレスに対するショックアブソーバー,滑膜炎抑制,活性酸素種除去などの作用を発揮している.ヒアルロン酸の代謝回転はきわめて速く,関節液や関節軟骨での半減期は各々1~2日と2~3週とされている.ヒアルロン酸分解に関しては,高分子ヒアルロン酸が細胞膜上でCD44に結合し,hyaluronidase 2(HYAL2)で中間型サイズに分解され,ライソソーム中のHYAL1でオリゴ糖にまで分解されるという仮説が有名であるが,これら分子をノックダウンしてもヒアルロン酸分解活性は消失せず,本仮説については長らく矛盾点が指摘されてきた.
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