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前十字靱帯再建術と同時に縫合術を施行した外側半月板後角の横・弁状断裂
-――2年以上の術後成績
Outcomes more than 2 years after meniscal repari for radial/flap tears of the posterior lateral meniscus combined with anterior cruciate ligament reconstrucion
辻井 聡
1
A. Tsujii
1
1JCHO星ヶ丘医療センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., JCHO Hoshigaoka Medical Center, Hirakata
キーワード:
lateral meniscus
,
posterior horn tear
,
meniscal repair
,
meniscal function
Keyword:
lateral meniscus
,
posterior horn tear
,
meniscal repair
,
meniscal function
pp.1336-1339
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1336
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【要 旨】
目 的:前十字靱帯(ACL)再建術と同時に縫合術を施行された外側半月板(LM)後角の横・弁状断裂症例において,縫合半月板の機能がどの程度保たれるか総合的に評価した報告はない.われわれは,臨床所見,画像所見に加え,再鏡視所見も含めて縫合半月板機能の評価を行った.
対象および方法:2008~2016年4月に初回ACL再建術と同時にLM後角の横・弁状断裂に対して縫合術を施行し,2年以上経過観察可能であった41例(LM群)を対象とした.41例のうち,30例については術後2年での関節鏡評価を行った.また,同期間において半月板損傷のないACL再建術単独の症例を対照群(C群)として比較した.
結 果:術後平均経過観察期間は,LM群3.4年,C群3.9年であった.臨床所見,X線による外側関節裂隙,MRI冠状断像における半月板偏位については両群間で差がなかったが,MRI矢状断像での半月板偏位についてはLM群で有意に大きかった.関節鏡評価では,18例(60%)で完全治癒,9例(30%)で部分治癒,3例(10%)で治癒不全が確認された.また軟骨損傷は,大腿骨外顆では両群間で差はなかったが,脛骨外側高原についてはLM群で有意に悪化していた.
結 論:ACL再建術時にLM後角の横・弁状断裂に対する縫合術施行例において,臨床所見,画像所見はACL再建術単独群と同等の結果であったが,MRI矢状断像での半月板偏位については両群間で差を認めた.LM縫合群では脛骨外側高原の軟骨の悪化も有意に多く,本損傷に対する縫合術の限界が示唆された.
© Nankodo Co., Ltd., 2020