重度大動脈弁狭窄症に対し大動脈弁バルーン形成術を行い人工骨頭挿入した症例に対する理学療法の1例

Physical therapy for bipolar hip arthroplasty after balloon aortic valvuloplasty for severe aortic stenosis；report of a case

　わが国では，高齢化社会の到来により，90歳以上の大腿骨近位部骨折の発生数は増加の一途をたどり，その治療を経験することはめずらしくない．高齢になるにつれて回復意欲の低下や認知症，心疾患などの合併症も多く，治療に難渋する．われわれは，大動脈弁狭窄症（aortic stenosis：AS）を合併した大腿骨頚部骨折に対し術前大動脈弁バルーン形成術（balloon aortic valvuloplasty：BAV）後に人工骨頭挿入術（bipolar hip arthroplasty：BHA）が施行された超高齢者の1例を経験したため，その治療経過を報告する．