Japanese
English
論説
脊髄モニタリングで末梢神経テタヌス刺激後運動誘発電位モニタリング(p-MEP)を必要とするのはどのような症例か
What kind of case needs post tetanic transcranial electrical stimulation of motor evoked potentials(p-MEP)during spinal surgery?
増田 佳亮
1
,
重松 英樹
1
,
川口 昌彦
2
,
高谷 恒範
3
,
岩田 栄一朗
1
,
田中 康仁
1
K. Masuda
1
,
H. Shigematsu
1
,
M. Kawaguchi
2
,
T. Takatani
3
,
E. Iwata
1
,
Y. Tanaka
1
1奈良県立医科大学整形外科
2奈良県立医科大学麻酔科
3奈良県立医科大学中央検査部
1Dept. of Orthop. Surg., Nara Medical University, Kashihara
キーワード:
MEP monitoring
,
post tetanic
,
CMAP
Keyword:
MEP monitoring
,
post tetanic
,
CMAP
pp.1193-1196
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1193
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は じ め に
術中の経頭蓋電気刺激筋誘発電位(TES-MEP)は脊椎脊髄手術において術中の脊髄損傷を防止し,安全に手術を遂行する方法として普及してきている.しかしながら,得られるモニタリング筋からの複合筋活動電位(CMAP)は麻酔薬・筋弛緩薬の影響や,患者の基礎疾患により容易に抑制される1~8).実際にモニタリング可能な波形振幅が得られないと,信頼できるTCE-MEPが施行できない.われわれは,波形振幅を増幅させる手法として末梢神経をテタヌス刺激後に筋誘発電位をとる脊髄モニタリング手法(post tetanic Br-MsEP:p-MEP)を行っており,これにより簡便にCMAPを増幅させ,従来のMEP法(conventional Br-MsEP:c-MEP)に比べ,波形検出率ならびにモニタリングのreliabilityが上昇することを過去に報告した9,10).しかしながら,実臨床においてp-MEPを必要とするような術前背景因子は明らかではない.
本研究の目的は,どのような術前背景因子を含む症例にp-MEPが必要なのかを明らかにすることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018