Japanese
English
リハビリテーション
上肢下降動作時に疼痛を訴える肩腱板断裂患者に対する徒手抵抗訓練の有用性
Efficacy of manual resistance exercise for pain during arm lowering in patients with rotator cuff tear
中畑 温貴
1
,
横谷 祐一郎
1
,
椎木 孝幸
1
,
中川 滋人
2
,
武富 由雄
3
A. Nakahata
1
,
Y. Yokotani
1
,
T. Shiiki
1
,
S. Nakagawa
2
,
Y. Taketomi
3
1行岡病院リハビリテーション科
2行岡病院スポーツ整形外科センター
3武富整形外科
1Dept. of Rehabilitation, Yukioka Hospital, Osaka
キーワード:
rotator cuff tear
,
drop arm sign
,
manual resistance exercise
,
arm lowering
,
muscle activity
Keyword:
rotator cuff tear
,
drop arm sign
,
manual resistance exercise
,
arm lowering
,
muscle activity
pp.1040-1043
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1040
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は じ め に
肩腱板断裂の患者においては,肩挙上位から上肢を下降する際,外転60°~120°あたりで疼痛を生じたり,drop arm sign様の墜落性の下降動作がみられることがある.Parkら1)は,腱板不全断裂症例72例および完全断裂症例215例について,drop arm sign,painful arc signを調査し,drop arm signは部分断裂の14%,完全断裂の35%,painful arc signは部分断裂の67%,完全断裂の76%にみられたと報告しており,肩腱板断裂患者にとって,肩外転60°~120°あたりでの痛みや,筋力低下が問題となることが多い.
Taketomi2)は,疼痛を有する腱板断裂患者が腕を降ろす際に徒手抵抗を加えることで,疼痛が軽減ないし消失することを報告している(図1).この報告に基づき,われわれは上肢下降時に疼痛を訴える症例に対して,自ら徒手抵抗を加えながら下降させるように動作指導を行っているが,なぜ疼痛に変化を生じるかは不明である.
疼痛が軽減ないし減少する原因として,われわれは下降動作に徒手抵抗を加えることにより肩関節周囲筋の筋活動が変化するためではないかと考えた.本研究の目的は,徒手抵抗を加えることによる上肢下降動作時の疼痛の変化を調査し,その際の肩関節周囲筋の筋活動の違いを検証することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018