書評
小児心身医学会ガイドライン集(改訂第3版)―日常診療に活かす7つのガイドライン
五十嵐 隆
1,2
1国立成育医療研究センター 理事長
2東京大学 名誉教授
pp.897-897
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_897
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- 文献概要
年齢を10年ごとに区切ったときのわが国の国民の医療費は10歳台の使用額が最も少ない.では,思春期・青年期にほぼ相当するこの年代に属するわが国の子どもは健康といえるのかと問われると,小児科医の立場ではそうとはいい切れない.2018年に実施されたわが国の子ども・青年の年齢階層別疾病負担調査でも10歳を超えるにつれ心の問題による疾病負荷が増え,10歳台後半になると全疾患のなかで最大化することが明らかにされている.また,慢性的に身体・発達・行動・精神状態に障害をもち何らかの医療や支援が必要な子どもや青年の割合が米国では20歳未満の約19%を占めるが,平均年齢9.7歳の子どもを対象とした東京ティーンコホートでも12.5%を占めることが明らかになった.それらの原因疾患のなかでアレルギー関連疾患が最も多いが,種々なこころの疾患が多数を占めており,それらの罹患者の総数はアレルギー疾患者を大きく上回る.2024年には小中高生のうち年間30日以上の不登校の子どもが約35万人に,そして小中高生の自殺者が527人に増加し,いずれもわが国の記録史上最多となった.さらに,2025年にUNICEFはOECD加盟41ヵ国の子どもの身体・心理・社会的別のwell-beingを評価し,順位を報告した.わが国の子どもの身体的well-beingは第1位であったが,心理的well-beingは32位と低位であった.
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