連載 医療の不確実性に向き合う―不明・複雑・変わりゆく病状,正解がわからないときにどう対応するか
第11回 不確実性への対応 ⑥:医療におけるジェネラリストとは~医療は断ってはいけないというのは真実か~
徳増 一樹
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.139-143
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
第5回でも触れたが,研修医時代の記事を再掲したい.
研修医になりたての4月,僕の初めて受け取ったホットラインの電話は,救急隊員の「受け入れは可能ですか?」という必死な声が一番印象的でした.救急車で飛ばして一時間かかる場所からの電話でした.僕は初めての事だったので,周りの先生に受け入れは可能ですかと尋ねると,「もちろん.」と言ってくれました.その先生は産婦人科の7年目の先生でした.どんな患者さんとも聞かずに即答でした.それが意味するのは,中部病院の救急医療に対する姿勢です.どんな患者さんでも受け入れられるというキャパシティがあるということ,その責任を負えるだけの覚悟があるということ,すごいなと感じた4月の初めでした.

© Nankodo Co., Ltd., 2026

