連載 医療の不確実性に向き合う―不明・複雑・変わりゆく病状,正解がわからないときにどう対応するか
第10回 ケース ⑤:検査で異常がない「体のだるさ」
徳増 一樹
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.1315-1320
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_1315
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前回は,省察(振り返り)という自身の経験を振り返り,そこから学び,改善を図るプロセスを紹介した.今回は,40歳代のCOVID-19後遺症で悩む女性の事例について振り返る.いくら生物医学的な検査を行っても,COVID-19後遺症以外の背景疾患がなく,かつCOVID-19後遺症に対する治療法が確立していないという状況のなかで,どう目の前の医療を実践していくかを紐解いていく.医学の限界はあるということ,それにどう向き合うかという医師の態度が,医療の不確実性に向き合うなかで大事だということを記述していく.

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