書評
ARNIとSGLT2阻害薬についてシンプルにまとめてみましたver. 2―心不全・高血圧治療の新時代を迎えて
山本 一博
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1国立循環器病研究センター 病院長
pp.1269-1269
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_1269
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- 文献概要
わが国は他国に例をみない超高齢社会に突入し,加齢とともに発症頻度が上昇する疾患の患者数が大きく増加している.その一つが心不全であり,その患者数は100万人以上とされ,現状は「心不全パンデミック」と称されている.患者数が多いうえに高齢患者の占める割合が高いため,心不全患者の診療を心不全専門医のみでカバーすることは不可能であり,また循環器専門医のみで担うことも困難である.現在,心不全はcommon diseaseの一つとして扱われており,多くの非循環器専門医がかかりつけ医としてその診療を担っている.そのようななかで,ガイドラインにおいて標準的な心不全治療が提示されているものの,その実践率は十分なレベルに達していないという大きな問題がある.
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