書評
立体視で理解する臨床心臓解剖アトラス[3Dメガネ付録つき]
八木 哲夫
1
1仙台市立病院 医療管理監
pp.1147-1147
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_1147
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- 文献概要
本書の著者の一人である森俊平先生との出会いは,もう15年以上も前になる.評者は彼が勤務していた病院から招聘され,数年間にわたって,毎週のように彼とともにカテーテルアブレーションに取り組んだ.彼は国内でも有数の冠動脈インターベンション件数を誇るその施設の中心的なスタッフとして,冠動脈インターベンションのみならず,デバイス治療,カテーテルアブレーション,さらには心臓CTを担当していた.当時その施設には3Dマッピングシステムはなく,透視装置を駆使して,試行錯誤しながら治療を行っていた.すでに3Dマッピングシステムを駆使していた評者としては,その旧来の環境は懐かしく,また新鮮でもあり,同時にもちろん困難を伴った.今では考えられないが,そもそも心房中隔穿刺を透視下で行っていたような時代である.そういう時代・環境で訓練を積み,心臓電気生理学以外の分野にも造詣が深い彼の視点は,評者が出会ってきた不整脈医の視点とは明らかに異なっていた.
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