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第9章 糖尿病・代謝・内分泌
[糖尿病・肝疾患]肝臓を標的とした2型糖尿病・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療戦略
松本 道宏
1
,
満島 勝
1
,
長沼 孝雄
1
1国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター分子代謝制御研究部
キーワード:
2型糖尿病(T2D)
,
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
肝糖新生
,
脂肪酸合成酵素
Keyword:
2型糖尿病(T2D)
,
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
肝糖新生
,
脂肪酸合成酵素
pp.730-734
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_730
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Summary
・糖尿病では,肝臓の糖新生の亢進により高血糖が惹起され,その抑制は病態に即した治療法となる.
・肝糖新生系酵素の遺伝子転写はグルカゴンにより誘導され,その抑制により高血糖が改善する.
・肝糖新生系酵素の遺伝子転写を担う核内シグナル伝達モジュールとその標的分子は糖尿病の治療標的となる.
・肝臓の脂肪酸の新規合成(DNL)の亢進は脂肪蓄積とインスリン抵抗性に寄与する.
・DNLを担う脂肪酸合成酵素の肝臓における欠損は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と糖尿病を改善する可能性があるが,その効果は肥満の成因の影響を大きく受ける.
© Nankodo Co., Ltd., 2024