書評
今日の治療薬2024―解説と便覧
清田 雅智
1
1飯塚病院総合診療科 診療部長
pp.237-237
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_237
- 販売していません
- 文献概要
臨床医が薬の情報として求めるものは何だろうか? 保険適用病名,使用量,相互作用,副作用の情報などは「添付文書」や「インタビューフォーム」で十分である.私の研修医時代(1990年代)は,各病棟に配置されていた毎年更新される分厚い薬の本や,白衣のポケットに入る医薬品集などを使って調べていた.2000年代に電子カルテが導入されると,処方オーダー時にDI(drug information)ボタンを押すと「添付文書」が開くので,本で薬を調べるという作業はほぼしなくなった.さらにはインターネットの普及により,webで薬剤情報を調べることもできるようになり,また新薬などの使用経験が少ない薬の処方時には薬剤部のDIセンターに電話をすれば丁寧に答えてくれる.結局は本が不要になったのだが,それ以上に薬の本を読まなくなったのには,もう一つ理由があった.
© Nankodo Co., Ltd., 2024