書評
今日の治療薬2024―解説と便覧
山下 裕玄
1
1日本大学消化器外科
pp.840
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka86_840
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- 文献概要
大学医学部を卒業して,国家試験対策の知識は持ち合わせていたものの,実践的に使用する薬の名前はまったくといってよいほど知らず(そもそも聞く機会もなく),当然ながら薬品名を覚える作業は今でいうon the job trainingの最たるものであった.点滴薬は,複写式の紙伝票で1週間分をまとめて記入して提出.内服薬についても紙ベースで,薬の名前は手書きを繰り返すことで覚えていく.そんな感じであった.処方薬の名前を上級医に確認して処方薬を書く.これを繰り返して「馴染みのある薬」が増えていった.困ったことに,病院がかわれば薬の名前もかわってしまうことがある.初期に覚えた制吐薬プリンペランは,地域の開業医に伺えばペラプリン.これはまだサウンドから容易にイメージができるものであるが,メトクロプラミドといわれたらおそらく当時は何の薬かさっぱりイメージできなかったと思う.最近はジェネリック薬が増え,商品名だけではなく正式名称までしっかり覚えておく必要が出ている.当然ながら薬品名からその薬効を検索する機会も増えている.
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