特集 エキスパートはこう読む! 検査値の臨床的解釈―日常臨床での疑問にお答えします
扉
笹原 鉄平
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1自治医科大学附属病院 感染制御部
pp.1160-1161
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_1160
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技術の進歩によって検査の種類が増えることは,ユーザーであるわれわれ臨床家にとっては嬉しいことである.一方で,増え続ける検査を「使いこなせているか」と自問すると,まったくもって怪しいのが現実である.すべての分野において検査の潜在能力を引き出すことができることが理想であるが,専門外の分野となるとなかなか難しい場合もある.検査データは,検査が行われた時点での1次元的な情報であるが,時系列で追っていくと2次元的な情報となり,さらに臨床情報や検査データと組み合わせることで3次元的な情報となって,われわれの前に立体的な姿を現す.診断や治療,経過観察など,必要な場面に応じて検査をうまく使っていくことが求められる.したがって,検体検査においても,検査結果に表示された「数値」そのものだけではなく,その背景に隠れたヒントを読み解いていく必要があるように思う.
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