特集 患者さんからよく尋ねられる内科診療のQuestion
第5章 リウマチ・膠原病
[55歳女性,Sjögren症候群]Sjögren症候群と診断されたのですが,とくに治療はありませんと言われてしまいました.どうすればよいでしょうか?
鈴木 康倫
1
1福井赤十字病院 腎臓・泌尿器科/膠原病内科
pp.752-754
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_752
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お答えします
Sjögren症候群というおそらく初めて耳にする病気と診断されたのに「治療はありません」と言われて,さぞやびっくりされたことでしょう.推測ですが,診てもらったのは膠原病・リウマチ内科の先生ではないでしょうか.その先生はおそらく「現時点で,内科ではとくに治療はありません」という意図で説明されたのではないかと思われます.
“現時点で” というのはむしろよい意味と捉えてください.Sjögren症候群と診断された後は慎重に経過を診る必要はありますが,一般的には “おとなしい” 病気であって,強い治療を行わなくても入院したり,命に関わる状況になることはまれです.
乾く症状に対してはできることが多くあります.眼の乾きの場合は,眼科を受診して適切な評価を受け,あなたに合った目薬を処方してもらえば,かなりよくなります.口の乾きの場合は,歯科にも定期的に受診して歯を守るための行動を続けましょう.内科の先生へは唾液を増やす薬の処方を相談できますし,全身の病気として臓器病変をチェックするため,どのように外来へ通ったらよいかを一緒に考えてもらいましょう.このように専門家からみれば,内科での根本的な治療がなくともできることはたくさんあります.
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