特集 患者さんからよく尋ねられる内科診療のQuestion
第1章 総合診療
[73歳男性,慢性閉塞性肺疾患(COPD)]COPDに罹患しています.公費の肺炎球菌ワクチンを数年前に打ちましたが,新しく出たワクチンやインフルエンザ・コロナのワクチンを打ったほうがよいでしょうか?
石井 正紀
1
1東京大学大学院 医学系研究科加齢医学
pp.548-550
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_548
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お答えします
肺炎球菌ワクチンは慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者の肺炎リスクを減少させます.国内で成人に使用できる肺炎球菌ワクチンには,23価莢膜多糖体型肺炎球菌ワクチン(PPSV23),13価蛋白結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13),15価PCV(PCV15)の3種類があり,それぞれに特徴があります.最も新しいのは2022年に承認されたPCV15で,その安全性や有効性はPCV13とほぼ同等であるとされています.また,インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用によって,インフルエンザワクチン単独と比較して,COPDの増悪頻度が減少します.これらのワクチンの接種に関する適切な時期やスケジュールは年齢・健康状態などによって異なる可能性があります.かかりつけの医師や医療専門家に相談してください.
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