Japanese
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投稿 症例
多発骨折を契機に診断された囊胞性鞍上部腫瘍によるCushing病の1例
A case of Cushing’s disease with cystic lesion in the sella turcica diagnosed after multiple fractures
加藤 夏果
1
,
犀川 理加
1
,
五十嵐 真由子
1
,
矢作 直也
1
N. Kato
1
,
R. Saikawa
1
,
M. Igarashi
1
,
N. Yahagi
1
1自治医科大学附属病院内科学講座内分泌代謝学部門
pp.503-507
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_503
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は じ め に Cushing病(Cushing’s disease:CD)は人口100万人当たり年間1.2~1.7人の発症率を示すまれな疾患で1),副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)産生下垂体腺腫を原因として副腎からのコルチゾール分泌が過剰となり,高血圧,糖代謝異常,脂質異常,骨密度低下などの特異的症状を呈する疾患である.
CDのほとんどは腫瘍径1cm未満のミクロアデノーマであり,マクロアデノーマの頻度は10%以下と報告されている2).
今回われわれは,壁在結節を伴う約14×13mmの囊胞性鞍上部病変として発見され,病的骨折の精査のなかでCDと診断された症例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.
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