連載 ほんとに意味あるの? その感染対策・感染症治療
第3回 経口コロナウイルス薬
中村 造
1
1東京医科大学病院 感染制御部・感染症科
pp.479-483
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_479
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これまで本欄では,マスクの着用は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防に本当に意味があるのか,また三密の回避はどれくらい必要かを論じた.今回は現在使用が一般的となっている新型コロナウイルス感染症の「経口ウイルス薬」の効果について考えてみようと思う.流行初期には抗ウイルス薬がなくステロイドなどの抗炎症薬が治療の主体であり,その後remdesivirが使用可能となったが経静脈薬であったことから入院治療が原則であった.経口のウイルス薬が使用できるようになり,重症度に応じて外来治療が可能になったことは,医療提供体制を大きく変化させるきっかけとなった.
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