連載 Focus On
AIが見出す心電図の新たな診断的意義
小寺 聡
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
ディープラーニング
,
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
,
説明可能なAI(XAI)
Keyword:
ディープラーニング
,
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
,
説明可能なAI(XAI)
pp.1379-1384
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1379
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本稿は,心電図診断における人工知能(AI)技術の進展について,ディープラーニング,心電図AI,ウェアラブルデバイスに焦点を当てて解説している.心電図AIは,ディープラーニングを駆使して,従来困難であった疾患の精密な判読や将来的な発症予測を可能にしている.大動脈弁閉鎖不全症や左室収縮機能低下などの診断において,AIは従来の医師の診断を補完する形で,その精度を高めている.ウェアラブルデバイスの進化は,日常生活での心疾患の監視と診断を向上させ,とくに心房細動(AF)の検出においてAI技術を活用している.さらに,心電図AIのランダム化比較試験は左室収縮機能低下の早期診断におけるAIの効果を示しており,医療現場での意思決定支援ツールとしての可能性を見出すことができる.これらの進歩により,AI技術は心電図診断の精度向上に貢献し,医師の診断プロセスをサポートする有用なツールになり始めている.
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