書評
ただいま留学準備中(改訂第2版)―医師が知るべき留学へのコンパス
岡本 耕
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科統合臨床感染症学分野 准教授
pp.1185-1185
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1185
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- 文献概要
1900年に野口英世は米国留学のための旅路についた.スマホやインターネットはおろか,国際電話もなかった時代である.当然飛行機もなかったので,船での旅である.12月5日に横浜を出発し,米国の東海岸にあるフィラデルフィアに到着したのは12月30日だったようだ.それから100年以上経った今では,留学しなくてもたくさんの情報を得られ,留学することが箔になるということもほとんどなくなっただろう.ただ,今いる環境を飛び出し,まったく異なる言語・システムで動いている異国の職場で働き,そして生活する,そのなかの学びこそが留学の本質であり(同様のことを本書監修者の田中栄先生が序文で指摘されている),そうした「リアルの体験」はむしろ現在においてより価値が増しているのではないだろうかと私は思う.
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