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第4章 循環器系に作用する薬剤
[狭心症治療薬]
硝酸薬
小宮山 知夏
1
,
児玉 隆秀
1
1虎の門病院 循環器センター内科
pp.713-717
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_713
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・硝酸薬は狭心症治療薬の一つであり,非常に長い歴史を有する剤形が豊富な薬剤である.
・動脈硬化による冠動脈狭窄を伴う狭心症においては,症状緩和目的に用いられ,予後改善効果はない.
・冠攣縮性狭心症では,発作時に短時間作用型硝酸薬,発作予防に長時間作用型硝酸薬が用いられるが,その耐性が問題となっている.
・副作用として頭痛が多いが,鎮痛薬の併用で改善する場合が多い.
・ホスホジエステラーゼ(PDE)-5阻害薬との併用は過降圧を招き,また閉塞隅角緑内障では眼圧を上昇させるため,禁忌である.
・重度大動脈弁狭窄症などによる胸痛発作への硝酸薬の投与は,血行動態の破綻を招くことがあるため,聴診で心雑音の有無を確認することが重要である.
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