特集 心エコー 傾向と対策―ケースで学ぶ! 実地医家がおさえておきたい診断・評価法
[Chapter 3] ケースで学ぶ! 心エコーの傾向と対策
A.心エコーで診断する基本的疾患
HFpEF
-心エコーでここまで鑑別できる
山田 博胤
1,2
,
藤原 美佳
2
,
伊藤 浩敬
1,2
1徳島大学大学院 医歯薬学研究部地域循環器内科学
2高松市立みんなの病院 循環器内科
キーワード:
左房圧
,
左房容積係数(LAVI)
,
僧帽弁口血流速波形
Keyword:
左房圧
,
左房容積係数(LAVI)
,
僧帽弁口血流速波形
pp.236-242
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_236
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▪HFpEFの診断における心エコー図検査の役割は,① LVEF≧50%,② 左室拡張障害の存在を証明すること,③ HFpEF様の病態を呈する器質的心疾患を診断してHFpEFから除外すること,にある.
▪虚血性心疾患,心筋症,弁膜症,感染性心内膜炎,収縮性心膜炎など,HFpEFの仮面をかぶった疾患は多種多様に及ぶが,その大多数は心エコー図検査で同定することが可能である.
▪実地医家が行うPOCUSでは,FoCUSと肺エコーを組み合わせることでHFpEFの診断に迫れるが,診断に至るには心エコー・ドプラ法が必要不可欠である.
▪HFpEFの診断のために提唱されているHFA-PEFFスコア,あるいはH2FPEFスコアの算出にも,心エコー・ドプラ指標が必要である.
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