特集 心不全のすべて―増え続ける心不全患者にどう対峙するか
心不全治療における将来の展望
HFpEF治療におけるIASD®
中村 研介
1
,
山本 一博
1
1鳥取大学医学部統合内科医学講座循環器・内分泌代謝内科学分野
キーワード:
左室拡張能低下
,
左房圧
,
心房間シャント
Keyword:
左室拡張能低下
,
左房圧
,
心房間シャント
pp.117-119
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_117
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪収縮力の保たれた心不全(HFpEF)では,有効な治療法が確立されていない.
▪HFpEFの病態の特徴である左室拡張能障害により,左室が拡大できず左室充満圧が過度に上昇する.とくに運動時は急激かつ高度の左房圧上昇が生じ,患者の運動耐容能が低下する.
▪心房中隔に交通路(心房間シャント)をつくり,左房圧を低下させるデバイスとしてIASD®が開発され,薬物治療で症状軽減が得られないHFpEF患者の新たな治療として有用性が期待されている.
▪現在,第Ⅲ相試験に該当するREDUCE LAP-HF trial Ⅱが欧米や本邦で実施中であり,その結果が待たれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021