特集 好きになる呼吸器学―珠玉の症例集から
珠玉の症例集 ~印象深い症例・思い出の症例より~
[Case 8]入院加療で回復,しかし退院後にすぐに再燃……
草島 健二
1
,
奥野 衆史
1
,
唐沢 知行
1
,
阿部 英樹
1
,
土屋 香代子
1
1立川相互病院 呼吸器内科
キーワード:
住居関連過敏性肺炎
,
加湿器肺
,
エンドトキシン
,
モザイクパターン
Keyword:
住居関連過敏性肺炎
,
加湿器肺
,
エンドトキシン
,
モザイクパターン
pp.893-896
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_893
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Case summary
61歳男性.高脂血症,高尿酸血症の既往歴があり,母親に抗ARS抗体関連間質性肺炎の家族歴があった.タクシー運転手をしており,妻および子どもとの3人暮らし.たばこは20本/日×40年,アレルギー歴なし.X年1月に咳嗽を主訴にかかりつけ医を受診し,その10日後に発熱はないが咳嗽と息切れが悪化して再診.SPO2 89%,胸部X線で両側下肺浸潤を認め,2月中旬に当院に紹介入院となった.
入院時の体温36.9℃,SPO2 90%,呼吸平静,肺野にラ音なし,心音清,浮腫・ばち指なし.WBC 11,100/μL,CRP 6.6mg/dL,LD 329U/L,RA 376mg/dL,KL-6 1,361U/mL,SP-D 182ng/mL,SARS-COV-2 PCR陰性.胸部X線で両側下肺野にすりガラス浸潤を認め,CTでびまん性の淡い粒状影とモザイク状すりガラス斑状影を認めた(図1).明らかな蜂巣肺はなかった.
© Nankodo Co., Ltd., 2022