クリニックで遭遇する緊急対応を要する循環器疾患

Summary

▪クリニックで遭遇する救急対応を要する疾患は，大きく急性冠症候群（ACS）・心不全・不整脈に分けられる．

▪急性冠症候群は比較的頻繁に遭遇するが，患者自身が独歩で来院できる症状であり診断に苦慮することが多い．一方で，初動判断が生命予後に大きく影響するため，慎重かつ迅速にできる限りの検査をすることが大切である．

▪心不全は，どの程度の心不全までを自院で診て，どの程度から連携先病院に搬送するかの判断が難しい．今後入院を要する病態にならないかどうか病状の見通しを適切に行うことが大切である．

▪不整脈に関しては緊急を要する状態の患者がクリニックに来院する頻度は高くなく，ほとんどが心房粗細動と発作性上室頻拍である．長期的な治療方針も含めて治療をすべき疾患群といえる．