連載 Focus On
胸部単純X線が決定づける疾患
長尾 大志
1
1島根大学病院医学教育センター
キーワード:
閉塞性細気管支炎
,
リンパ脈管筋腫症
Keyword:
閉塞性細気管支炎
,
リンパ脈管筋腫症
pp.1365-1369
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1365
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胸部単純X線は胸部CTよりも情報量が少なく,胸部単純X線だけで診断を決定づけることができる疾患は少ない.しかしながら胸部単純X線には胸部CTよりも優れている点がある.肺の大きさが一目でわかるという点,そして一枚の写真で肺の全体像がわかるという一覧性である.それゆえに肺の大きさの変化や縦隔の動きでいくつかの疾患が診断可能である.両肺が膨張し大きくみえる慢性閉塞性肺疾患(COPD),両肺が収縮し小さくみえる肺線維症,片側胸郭が膨張し真っ白になる胸水,片肺胸郭が収縮し真っ白になる無気肺,そして肺が収縮し肺外に空気が溜まる気胸といった疾患である.
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