特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第3章:血 液
反復する伝染性単核球症様の症状は慢性活動性EBV感染症を考える
坂下 千瑞子
1
,
新井 文子
2,3
1東京医科歯科大学血液内科
2聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科学
3東京医科歯科大学医歯学総合研究科血液疾患治療開発学
キーワード:
伝染性単核球症
,
慢性活動性EBV感染症
,
EBV
,
EBV陽性T細胞およびNK細胞リンパ増殖症
Keyword:
伝染性単核球症
,
慢性活動性EBV感染症
,
EBV
,
EBV陽性T細胞およびNK細胞リンパ増殖症
pp.445-447
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_445
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内科や小児科領域では,伝染性単核球症(infectious mononucleosis:IM)の診療をしばしば経験する.本稿では,IMによく似た症状を示し,鑑別がしばし困難である慢性活動性EBV感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)について最近の知見も含めて紹介する.CAEBVは適切に治療されないと致死的経過をとる.これまで小児あるいは若年成人の疾患と考えられてきた本疾患が,幅広い年齢層に発症することが近年報告されており,まれな疾患ではあるが,内科領域でも,本疾患を念頭に置くことで診断や適切な治療が行われ,予後の改善が期待される.
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