特集 予防医療―包括的な提供を目指して
薬剤などによる予防と予防接種
aspirinによる心血管疾患二次予防
佐々木 修
1
,
秋間 崇
2
,
石井 直樹
3
,
佐々木 英樹
4
1東京品川病院総合内科
2さいたま市立病院循環器内科
3東京品川病院消化器内科
4東京女子医科大学心臓外科
キーワード:
aspirin
,
心血管イベント予防
,
出血イベント
Keyword:
aspirin
,
心血管イベント予防
,
出血イベント
pp.1103-1106
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_1103
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Summary
▪心血管イベント再発予防(二次予防)のためaspirin治療を行うことにより心筋梗塞・脳卒中・狭心症などの心血管イベントを有意に抑制できることが数多くの大規模臨床試験で証明されている.
▪一次予防目的のaspirin治療については,1980年代から行われてきたランダム化比較対照試験をメタ解析した結果,心血管疾患の発症予防効果があるものの,頭蓋内・消化管出血などの大出血が増加することが示されている.
▪日本人は欧米人同様出血リスクが高いことが報告されており,一次予防に対する一律のaspirin処方は推奨できない.潰瘍など出血に注意しつつ,酸分泌抑制薬など適切な対応が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020