特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
オリンピック時に問題となり得る感染症
風 疹
山本 修平
1
,
伊東 直哉
1
1静岡県立静岡がんセンター感染症内科
キーワード:
先天性風疹症候群
,
予防接種
,
リンパ節腫脹
Keyword:
先天性風疹症候群
,
予防接種
,
リンパ節腫脹
pp.49-52
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_49
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Summary
▪本邦では2018年の風疹の流行が2019年に入っても終息しておらず,2020年の東京オリンピックの際には風疹を「輸出」する可能性がある.
▪30~50歳代の予防接種を受ける機会のなかった男性で主に発生しており,1962~1979年生まれの男性に対して無料で抗体検査・予防接種が実施されている.
▪後頸部リンパ節腫脹や発疹,成人では関節炎が診断のヒントとなる.
▪発疹は麻疹と似るため,迷う場合には診断確定まで麻疹に準じた空気感染対策を行う.
▪臨床的に疑わしければ即座に保健所に連絡し,ウイルス遺伝子検査の提出や感染対策の相談を行う.抗体検査結果を待つ必要はない.
© Nankodo Co., Ltd., 2020