特集 ここを知りたい!頭部外傷初期対応・慢性期ケア
【頭部外傷ベーシックス】
頭部外傷後よくある後遺症とその対応方法
並木 淳
1
1慶應義塾大学病院救急科
キーワード:
外傷性てんかん
,
筋緊張性頭痛
,
髄液循環障害
,
外傷性水頭症
,
硬膜下水腫
,
慢性硬膜下血腫
,
低髄液圧症候群
Keyword:
外傷性てんかん
,
筋緊張性頭痛
,
髄液循環障害
,
外傷性水頭症
,
硬膜下水腫
,
慢性硬膜下血腫
,
低髄液圧症候群
pp.626-630
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200275
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症候性てんかん(外傷性てんかん)
抗てんかん薬の予防的投与と治療的投与
頭部外傷を原因とする症候性てんかんを「外傷性てんかん(posttraumatic seizure : PTS)」と呼ぶ.抗てんかん薬の予防的投与と治療的投与の違いを理解するためには,まず発症時期による分類を知っておく必要がある(表1).受傷後7日以内の発症を「早期てんかん(early seizure)」,受傷後8日以後の発症を「晩期てんかん(late seizure)」と呼び1),急性期の病態が最も不安定な時期を経過した後に発作を認める晩期てんかんが,狭義の(後遺症としての)「外傷性てんかん」である.
早期てんかんは頭蓋内圧(intracranial pressure:ICP) を亢進させる危険があるため,積極的に予防することが推奨されている.一方,晩期てんかんに対する抗てんかん薬の予防的投与は原則として行わない1).
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