特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第3章 耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科
-この5年の進歩
村上 信五
1
1名古屋市立東部医療センター
pp.1838-1840
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1838
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耳鼻咽喉科は,大きく耳科・鼻科・咽喉頭科・頭頸部外科に分けられるが,ヒトの五感のうちの嗅覚・味覚・聴覚という3つの感覚器を担当する医学でもある.嗅覚や味覚は元来,毒物や腐敗物を感知して生命を守るための感覚であったが,現在ではアロマや香水,美食など生活のQOLを高める感覚器になっている.また,聴覚は喉頭の発声機能と連携し,言語を介したコミュニケーションという人が社会生活を営むために欠かせない機能となっている.さらに,鼻は呼吸を行い,口や食道は食物を摂食・嚥下するという,人が生きていくために欠かすことのできない生命維持に関与している.このように耳鼻咽喉科は,単に耳・鼻・咽喉頭の病気というよりは,感覚器医学,コミュニケーション医学,呼吸,摂食・嚥下といった生命を維持し,生活のQOLを高め,社会生活を営むという,実に多彩で重要な機能と役割を担っている.
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