Japanese
English
特集 症状別・疾患別にみた注意を要する心電図所見
電解質異常
Electrolyte Imbalance and Abnormal Electrocardiogram
大坪 豊和
1
,
髙橋 尚彦
1
Toyokazu Otsubo
1
,
Naohiko Takahashi
1
1大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座
1Department of Cardiology and Clinical Examination, Oita University School of Medicine
pp.267-275
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205921
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血清電解質の異常により心電図は特徴的な変化を示すことが知られている.Na+,K+,Ca2+の各イオン濃度は,細胞膜を隔てて細胞内外でバランスをとっている.脱分極により,これらのイオンが移動し,電気的興奮を生み出し心電図が形成される.血中濃度測定可能な細胞外イオン濃度の異常(高低)が心電図から予測可能となる.
心電図が生命を脅かすような異常を示唆する最初の臨床所見となることが少なからずある.特にカリウム(K)やカルシウム(Ca),マグネシウム(Mg)濃度の異常が存在する場合には心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈を生じるリスクを生じる.したがって循環器科にかかわらずすべての診療科の医師が電解質異常に伴う心電図変化に気付き,適切な対応をとることが重要となる.本稿では,電解質異常のなかでも特にカリウム,カルシウム,マグネシウムの異常の際に出現する心電図変化を,その電気生理学的機序をもとに解説する.
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