特集 もっとうまくいく! 病診連携の「伝え方」―わかりやすく伝えるための診療情報提供書作成のコツ
第Ⅱ章 <診療科別>コンサルトのポイント
G.血液内科へコンサルト
3.多血症(精査)
桐戸 敬太
1
1山梨大学医学部血液・腫瘍内科
pp.609-611
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_609
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多血症とは,ヘモグロビン値や赤血球数が上昇した状態を指す用語である.多血症の要因となる病態は,反応性(見かけ上),エリスロポエチン(EPO)上昇に伴うもの,そして赤血球の自律的な増殖(骨髄増殖性腫瘍)によるものに大別される.骨髄増殖性腫瘍としての多血症は,真性赤血球増加症(polycythemia vera:PV)以外にも慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)でも合併することがある.これらの疾患では,造血幹細胞に生じた遺伝子変異がその要因であり,前者ではJAK2V617F変異が,後者ではBCR-ABL融合遺伝子が関わっている.EPOが増加する病態としては,慢性的な低酸素血症に対する反応性の場合と,腎臓がんなどで腫瘍性にEPO産生が亢進している場合がある.
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