特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅸ章 高齢者における薬剤使用の注意点
13.薬局薬剤師による服薬支援
山浦 克典
1
Katsunori YAMAURA
1
1慶應義塾大学薬学部
pp.964-968
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_964
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Summary
▪医薬分業が70%を超え,在宅医療に取り組む保険薬局も増加し,薬局薬剤師が患者の薬物療法に関わる機会はますます増えている.
▪実地医家が近隣の保険薬局と良好な連携を構築して得られるメリットは大きい.
▪薬剤師による疑義照会の結果,健康被害が回避できた事例が多数報告されている.
▪大学病院などで広まりつつある,処方箋への検査値表示の取り組みは,薬局薬剤師の処方箋チェック機能の精度を高め,薬物治療の有効性と安全性の向上に有用である.
▪薬剤師が実施する残薬調整の取り組みは,処方量と患者が実際に服薬している量との乖離を知る契機となる.
▪薬剤師は在宅医療において,高齢患者の嚥下能力や認知機能を考慮し,剤形変更や調剤工夫を提案したり,一包化やお薬カレンダーを用いた服薬支援も行っている.
© Nankodo Co., Ltd., 2018