特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅷ章 高齢者のがん診療~実地医家の視点から~
2.胃がん・大腸がん
小林 敬明
1
,
前野 聡子
1
,
長島 文夫
1
Takaaki KOBAYASHI
1
,
Satoko MAENO
1
,
Fumio NAGASHIMA
1
1杏林大学腫瘍内科
pp.887-891
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_887
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Summary
▪胃がん・大腸がんの約半数が75歳以上の高齢者であり,RCTなどのエビデンスは乏しい.
▪全身状態が良好で標準治療が導入可能と判断した場合は,年齢にかかわらず標準治療を実施する.一方,併存疾患のコントロール不良,認知機能低下例など全身状態不良例では,慎重な評価を行った後に減量治療や対症療法も検討する.
▪胃がん,結腸直腸がんでは内視鏡治療・腹腔鏡下手術,直腸がんでは術前放射線療法などによる低侵襲治療は,必要に応じて積極的に検討する
▪周術期管理として,術前運動・栄養療法などのプレハビリテーションプログラムや,術後回復プログラム(ERAS)を利用する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018