特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅲ章 高齢入院患者の病態評価
2.手術リスクの評価
杉本 研
1
,
楽木 宏実
1
Ken SUGIMOTO
1
,
Hiromi RAKUGI
1
1大阪大学老年・総合内科学
pp.668-673
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_668
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Summary
▪高齢者は若年者と比較し術後合併症や死亡などのリスクが高いため,外科治療によるリスクとベネフィットを術前にできるだけ正確に評価することが求められる.
▪老年医学領域で広く用いられている高齢者総合機能評価(CGA)やフレイル評価が高齢者の術後アウトカム予測に応用されている.
▪術後合併症,とくに術後せん妄予測において,術前CGAによる認知機能低下やうつの同定が有用である.
▪術前にフレイルやサルコペニアと判定されると術後予後が悪い.
▪CGAやフレイルを組み合わせた術前評価が,高齢外科手術患者に対するリスク評価として有用である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018