特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅱ章 高齢者と老年症候群
4.誤 嚥
海老原 覚
1
Satoru EBIHARA
1
1東邦大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座
pp.634-638
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_634
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Summary
▪高齢者の誤嚥の原因となる嚥下障害は施設入所高齢者全体の約半数だが,入所期間が長いほど嚥下障害の比率は高まる.
▪嚥下障害の状況を正確に把握して,その対策を講じるのにまず重要なのは,誤嚥・嚥下障害の状況の適切な問診である.
▪チェックすべきことは何にむせたのかということと,むせや湿性咳嗽が出現するタイミングである.
▪老年医学の進歩により,さまざまな嚥下機能を改善する作用をもつ抗誤嚥薬が提唱されている.それぞれの抗誤嚥薬はそれぞれ違った作用機序をもち,嚥下制御の神経系の違った部位に作用する.
▪抗誤嚥薬は嚥下の神経性制御のような部位に作用し,嚥下機能を改善する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018