特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《漢方薬》
漢方薬:下部消化管領域
眞部 紀明
1
,
鎌田 智有
2
,
春間 賢
3
Noriaki MANABE
1
,
Tomoari KAMADA
2
,
Ken HARUMA
3
1川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)
2川崎医科大学健康管理学
3川崎医科大学総合医療センター総合内科学2
キーワード:
便秘
,
下痢
,
腹痛
,
腹部膨満感
,
漢方
Keyword:
便秘
,
下痢
,
腹痛
,
腹部膨満感
,
漢方
pp.299-305
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_299
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Summary
▪消化器領域において漢方治療の果たす役割は大きく,とくにその病態が多因子からなる機能性消化管疾患は,そのよい適応である.
▪漢方治療では,一般的に患者を「実証・虚証」に分類し投薬内容が決定されている.
▪慢性便秘治療の基本は,① 腸管における水分の調節による便の軟化,② 腸管粘膜の刺激による腸管運動亢進,③ 腸管の過剰収縮を和らげることである.
▪慢性下痢治療の基本は,① 腸管内の過剰水分の是正,② 腸管運動の亢進状態の是正,③ 粘膜の過剰刺激の除去である.
▪近年,慢性便秘患者を対象とした漢方治療に関する質の高いエビデンスが報告されている.
▪漢方薬の副作用は,構成している生薬によって決まる.
▪数種類の漢方薬を併用する場合には,同じ生薬が重複しないか確認しておく必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018